Ubuntuとその派生ディストリビューションの消費電力を比較しました。
比較対象は公式のUnity、GNOME、KDE、Xfce、LXDEに加え、消費電力が低いと紹介されていたwattOSです。いずれもUbuntu 13.04ベースの64bit版です。
これらに対し、2013年6月15日時点でのアップデートをすべて適用し、powertopを用いて消費電力を計測しました。
検証に使用したのはThinkPad T420sです。CPUはCore i5-2520M、8GBのメモリー、HDDは搭載せず、カード型のSSDを搭載しています。無線LANとBluetoothを有効にし、輝度を最大にしています。
これが比較結果です。アイドル時で目視できた最も低い値を掲載しています。
公式系のディストリビューションは完全に横並びになり、wattOSがそれよりも劣るという結果になりました。これはアイドル時の値であり、実際に使用した場合はwattOSが最も優れた消費電力になるのかもしれません。
実際に使用すると3Dや半透明などを多用するUnityやGNOME、KDEの消費電力が跳ね上がるのではないかと思います。
上記の計測はアイドル時、しかも輝度最大にしてしまっているので、Windowsでのメーカー公称値の4.9時間駆動を上回っているのか下回っているのか分かりません。
ThinkPad T420sは44Whのバッテリーを搭載しており、バッテリー駆動時間のメーカー公称値は4.9時間です。
バッテリー駆動時間の計測方法には
JEITAバッテリ動作時間測定法というものがあります。
これの算出方法は、
- 画面輝度を20cdにし、MPEG1動画を再生する
- 画面輝度を最低にし放置する
レノボがこれに従っているのかはわかりませんが、この計測方法をUbuntu GNOMEで行ないました。
「測定方法にはバッテリーが切れるまで」とありますが、そんなに待っていたくないので、これもpowertopで消費電力を測って論理値を求めます。
結果です。
- 11.0W
- 7.81W
44 / ((11.0 + 7.81) / 2) = 4.678
メーカー公称値の4.9時間に届きませんでした。画面輝度をスマートフォンで計測したりと正確でない部分が多いので確実ではありませんが、Windowsよりもわずかにバッテリー持続時間は短くなってしまうようです。
実際に使っていると、わずかではなく圧倒的にWindowsよりも早くバッテリーがなくなると感じています。WindowsをUbuntuのように使う機会がほとんどないので気のせいかもしれませんが。それでもUbuntuを含めLinuxが好きです。
パラメータの調整をしたらUbuntuの方がバッテリー駆動時間が長くなる、ということも起こるかもしれませんね。